営業マンとして少しづつキャリアを積み上げていくと、必ず検討することになるフルコミッション営業。
完全歩合という給料体制はまさに青天井。
売ったら売った分だけ自分の給料に反映される制度は営業マンの憧れなのではないでしょうか。
しかし、私の周りでフルコミッションで働く営業マンは闇が深い。
私は実際に営業も受け、契約まで結んでいるので、彼らの手口も把握しております。
本記事ではフルコミ営業マンの中では最も多い、保険営業マンについて、概要やその闇の深さを解説していきたいと思います。
ドーパマン
・外資系保険会社からスカウトされている
・営業に自信があるので何でも売ってやると思っている人
目次
フルコミッション営業とは?
完全歩合やフルコミッションに馴染みの無い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
フルコミッション営業とは、完全歩合で営業をされている方々を指します。
企業によっては、最初の3年間は一部固定給を支払う等の制度がある企業もあります。
売上に対してインセンティブフィーが支払われる体系が多く、全く売上が作れなければ、給料は0になることもあります。
逆にとんでもない金額の売上をあげれば、年収1億円も夢ではないという営業マンにとっては夢のある報酬制度なのです。
後ほど私がご紹介するエピソードに登場するフルコミッションの保険営業マンの方は、年収にすると約8000万円程度ももらっていました。
営業マンとして少しづつ自信がついてくると、そろそろフルコミッションで一儲けしてやろうかという思想になっていくのはそれなりに給料を貰っている営業マンの宿命でしょう。
完全歩合制度の多い業界
フルコミッション方式を採用している企業は実は結構あります。
証券会社のリテール営業マンや、保険のセールスマン、車のカーディーラーからソフトウェアセールス、と幅広い業界で、フルコミ営業マンは戦っているのです。
中でも、特に多い業界は金融系や不動産ではないでしょうか。
一定のバックグラウンドがある人は外資系金融の生命保険会社に入社をするイメージがあります。
フルコミッション保険営業マンの年収
フルコミッションで働く営業マンの給料はまさにピンからキリまで。
給料は0〜1億超まで幅広いレンジで推移する恐ろしい世界。
完全部合という特性上、正社員で働かせることは労働基準法で違反になってしまいますから、業務委託で契約を結んでいます。
商談にかかる経費等を自分の売上から計上することになるので、出張代・カフェ代等は全て営業マンの負担になります。
カフェ代はかなりの曲者で、高級ホテルのラウンジ等を使用しますから1杯1000円程度のコーヒーです。
1日3商談するだけで、自分のコーヒー代と合わせると6000円程度にるのですから毎日商談すればコーヒーだけで180000円です。
※かなり極端な事例ですが・・・
外資系保険会社でトッランカーの営業マンになれば、年収1億円は軽く超えてくるとても夢のある世界なのです。
保険営業マンの営業手法
営業手法は自由ですが、某外資系生命保険会社の営業マンは「紹介型営業」に注力しています。
紹介の起点は自分の人脈になりますか。
最初は自分のケータイに登録されている友人・先輩・後輩と全ての人脈に営業をかけるのです。
セールストークのテンプレートは作成されていて、その文言をひたすら、チャット・電話で話し続けさせる会社もあるとのこと。
「あなたにとってとても良い話があります。聞きますか?聞きませんか?」といったよそよそしい語り口調で、さっきまで普通に会話していた人の電話させられるとか・・・
そうして話を聞いてくれる人を見つけ、契約を獲得し、そこからさらに紹介をお願いし、次なる顧客を見つけにいくのです。
紹介というのも、簡単にしてくれるわけではないですからこまめに連絡を取り続け、何度もしつこく依頼しつづけるのです。
私がこの話を聞いたのは数年前なので、今も同じことをしているかは定かではないですが・・・
プルデンシャルから受けた保険の猛烈営業【実体験】
私が初めてプルデンシャルの社員とあったのは野村證券に入社をして間もないころ。
とんでも無い地方支店に配属になった同期から、「俺が担当してもらってるプルの営業マンがすごい人で、保険はいらなくていいから一回会うだけあってほしい」という紹介からはじまりました。
なんでもその人はとんでもなく稼ぐ外資系生命保険会社のランカーで、ものすごく稼いでいるらしく、保険に入る気は全くなかったのですが、同期の謳い文句に興味が湧いてしまったのです。
当時営業で絶対トップになってやろうと意気込んでいた私は、「どんな営業トークをしてくるのか」凄く気になったのです。
その後、ラインでやりとりをして2スレ目くらいに、アポ打診が来ました。
早速面談の約束を取り付け、私達は会うことになったのです。
外資系トップランクの保険営業マン
高層ホテルに待っていたのは青のスーツに身をまとったイケメンでした。
青のスーツケースを横にピカピカに磨かれた靴。
ほれぼれするほど格好いい佇まいで、私はこの営業マンの何も知らないのに、憧れてしまう。
それくらい格好よかったです。
明らかにオーラが違いましたから、わざわざ電話でどこの席にいるのか問い合わせる必要もなく、そこに向かいました。
早速彼に名刺を渡された私は今日はあいにく持ってきておらずすみませんと軽く謝罪し、貰った名刺をテーブルの上に置きました。
手ぶらが好きだった私は、「今日は客だしいいか」とその日名刺入れを自宅においてきたのです。
しかし、彼は私をピシャリと叱りつけました。
「営業マンで名刺が無いなんてあり得ない。そして人から貰った名刺を机の上に生でおくなんて」とそして、硬直した私に彼は、こう続けます。
「その名刺どうする?地べたにおいたままにする?どうするか考えなよ。ここで機転が効くやつと効かないやつで営業で成功するかしないかわかれるよ。」
私は数十秒凍りついた上、唯一所持していたスマホの上に置きました。
「本日は不躾ながら名刺を忘れてしまったので、あなたがお話している間、絶対に気が散らないようあなたの名刺をスマホの画面の上に置かせていただきます」と私は応えました。
彼はふっと笑って「そういうことだよ。」といったのです。
そこからは完全に営業マンのペースでした。淡々と自分のブランディングをしていったのです。
「前職は営業ではなかった話」・「現職に転職をしてからすぐには成果がでなかった話」・「2年間休まず働いた話」等の苦労話からのサクセスストーリーから、「芸能人と交流がある話」や「今の年収の話」等の自慢話まで。
話を聞いた私は、「今この人と接点を持っておかないとこの先損をする」そう思ったのです。
「保険の契約くらいで、接点が持てるなら、安いものだと思ってしまったのです。」
それまで営業マンは保険の話をしていませんが私はその時点で保険に入ることを決意していました。
そして彼は最後に、「もし僕から保険を買ってもいいと思うなら来週時間が欲しい」と。
そうして私は保険に加入するのでした。
憧れの保険営業マンから怪しい人物を紹介される
ここまでで終われば、かなり美談なのですが、この話しには続きがあります。
その後、私は友人の一人を紹介し、彼もすぐに加入しました。
彼と私と保険の営業担当でご飯でもいこうという話になり、プロ野球選手もお忍びで通う、高級焼き肉店に誘われたのです。
そしてその後はお姉ちゃんのいる高級クラブに連れて行ってくれるというのですからそれはそれは楽しみな1日でした。
ここまで全く違和感がないかもしれませんが、私からすればかなりの違和感がありました。
なぜなら私と彼はどちらも社会人は1年目で保険の掛け金は低く、解約になればほとんど赤字になる計算だったからです。
どう考えても計算が合ない・・・
不審に思っていまた私の予感は的中しました。
焼き肉屋につくと紹介したい人がいるということで、都内で会社を経営しているという経営者のMさんがやってきたのです。
彼は、高級ブランドに身をまという、優しそうな雰囲気をした40代のイケてるおじさん。
当時流行っていたビットコインの話や、怪しい儲け話、不動産の話と彼の投資話を延々聞かされたのです。
そして「素晴らしい不動産投資の話があるからもし興味があれば、今度その人を紹介するよ」といってその場をあとにしたのです。
そのあとはクラブにいってふざけ倒して、全部おごってもらい、その人とはラインを交換して終わりました。
その後、Mさんの実名を調べて愕然としました。
彼は逮捕こそされていないものの、MLM(通称マルチ)でひと儲けしたらしく、かなり悪い評判が実名で至るところに転がっていました。
また、名前を検索してでてきた画像の中には、加藤◯が結婚したばかりの頃、嫁の友人がやばいとバズった画像にその人物と思わしき人がいたのです。
会ってから1日の出来事ですが、こんな人を紹介するなんて、完全に詐欺の片棒を担いでいるようなものだと驚きました。
フルコミッションで働く保険営業マンの闇
フルコミの保険営業マンは、毎年大量にやめていきます。
ここまでお読みいただき、勘づいた方もいるかと思いますが、普通の神経ではトップ営業マンにはなれません。
生命保険は、友人や家族誰もがクライアントになりえます。
そのため、新規契約を獲得するのであれば、最初から関係構築ができている家族・友人に販売するのが最も簡単です。
このネットワークが切れた時、営業はかなり厳しくなります。
事実、某外資系保険会社では新人で表彰される方は多くいるのに翌年、同じメンツが表彰されることはほとんどないそうです。
外資系企業はこのあったまった新人保険営業マンのリストを上手く掠め取り、絞れる金は絞りつくし、ボロ雑巾になったところで、辞めざる負えない状況に追い込むのです。(無給)
それが証拠にリストが擦れているであろう、前職が保険の営業マンという人はほとんどいないのです。
※本来、営業スキルが上がって、重宝されるはずですよね?
勿論全ての人に当てはまるわけではありません。
勝ち残る人もいます。
失敗しても若ければ次に行く先もあるでしょう。
営業に自信のある方はフルコミッションの保険営業マンに挑戦して一攫千金求めて挑戦するのもありだとは思います。
ただ、決して中途半端な気持ちでフルコミッションの保険営業マンに転身することはおすすめいたしません。
相当な覚悟を持って臨む必要があるのです。
中途半端な気持ちでフルコミの保険営業マンを目指すことだけしないよう注意しましょう。
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