最近SaaSっていうワードを耳にするけど、社員が何をしているのかイマイチわかっていないんだよね〜
昨今SaaS企業はかなりの注目を集めており、求職者からも熱視線を浴びています。
最近のスタートアップ企業のほとんどが”SaaS企業”ということからも今後の成長性が大きく期待できる分野です。
しかし、最近になって急拡大した背景もあり、歴史が浅いのです。
あまり情報が無く、「SaaS企業の社員は何をしているのか」あまりイメージできない方も多いのではないでしょうか?
今回はSaaS企業で働く私が、皆様の解像度を少しでも上げることができるように内情についてお話ししていきたいと思います。
・最近流行りのSaaS企業の社員が何をしているか知りたい
サブスクリプション型ビジネス
SaaSを理解する前に、サブスクリプションというキーワードを抑える必要があります。
サブスクリプションとはモノ・サービスの利用に対し、顧客から定期定額料金を回収するビジネスモデルのことです。通称「サブスク」。
最近流行りだしたキーワードですが、新聞の定期購読、フィットネスジム、月額制の英会話教室もサブスクリプション型のビジネスモデルであり、旧来からこうしたビジネスモデルは存在していたのです。
しかし、これまでサブスクリプションというキーワードを耳にする機会は少なかったのではないでしょうか?
なぜ今、”サブスクリプション”が話題になっているのか?
背景にあるのは「デジタル型のサブスクリプション型サービス」の普及です。
その代表が”SaaS”なのです。
SaaSとは(Software as a Service)の略称で、ソフトウェアをサブスクリプション型で提供しているビジネスモデルのことです。
従来PCのソフトウェアは買い切り型で使用するのが一般的でしたが、最近では一括で大きな費用を払うのではなく、定額制でサービスに対してお金を払うケースが増えてきていますよね。
例えば、様々な動画コンテンツを月額で見放題になる「Netflix」や、音楽が月額制で聴き放題になる「Apple Music」等です。
デジタルサービスの恐ろしいところはその感染力。いいサービスは簡単にSNS等や口コミを通じて拡散します。買い切りのコストと比較するとかなり低価格な値段設定も、拡散力を後押するのです。
上記の例は、BtoCのSaaS企業の代表例ですが、BtoBのSaaS企業も台頭し始めています。
中でも、これまで手が届きそうで届かなかったサービスをデジタル上で展開し企業の課題を解決する課題解決型SaaS企業が急拡大しております。
例えば名刺をクラウド上で管理できる「SanSan」や、営業活動の管理をクラウド上で行える「Salesforce」と、BtoBを代表するSaaS企業が存在感を高めています。
イメージしやすいよう、もう一つ例を出すと、マイクロソフト社のオフィスソフトウェアが挙げられます。
昔は、エクセルもワードも買いきりで使用するのが当たり前でしたが、
最近では、月額制でサービスを利用するのが一般的になりました。
つまり、「サブスク」 × 「ITサービス」という構図が「SaaS」のビジネスモデルなのです。
“The Model”とは何か?
SaaS企業の社員が何をしているのか理解を深めるためにはThe Modelを解説させていただきます。
“The Model”とはセールス活動を分業化したものです。
前提としてセールスの活動は大きく4つの部門にわけることができるとされています。
見込み客を創出をやブランディングを行うマーケティング、見込み客の中から質の高い商談を供給するインサイドセールス、供給された商談をクロージングまでもってくセールス、契約してくれた顧客の継続利用やアップセルを促すカスタマーサクセスの4つです。
下記”BtoBのSaaS”のプロダクトに即した形でご紹介させていただきます。
マーケティング
SaaSのプロダクト開発が進み、顧客にもお金出して使用してもらえるレベル感に到達した時、利益を稼ぎだす為に最初に動き出すにはマーケティングです。
どんな顧客・会社・性格の人がこの商品にお金を払うのだろうか。どんな経緯で、この商品を知るのだろうかといったことを分析をして見込み顧客の属性を浮き彫りにします。
ターゲットになる見込み客が選定できたら、実際に予算をかけて、見込み客の創出をしていきます。
方法は様々で、テレビCMや、ウェブ広告、SNSと商品や予算に合わせて、広告を打っていくのです。
商品を認知した顧客は、資料の請求や、無料お試しのお申し込みを行い、より具体的な見込み客の情報を獲得することができます。
まったく商品の購入に至らない人からお問い合わせをもらっても仕方がありません。その為集めた人からどれだけ購入にいたるのか(コンバージョンレート)を大切にするのです。
インサイドセールス
資料請求や無料のトライアル。商品に興味を持った人からの問い合わせがきたからと言ってすべての見込み客に商品の説明をしていては非効率。
そこで、実際に顧客とメールや電話でコミュニケーションを取りながら、顧客の選別を行うインサイドセールスが活躍します。
簡単に商品の価値を届けながら、予算や、ニーズ、決済権、導入までのタイミングをヒアリングすることで、スクリーニングにかけていくのです。
実際に商談を設定、セールスをサポートしていきます。
フィールドセールス
インサイドセールが供給してくれた質の高い商談で契約までもっていくのがセールスの仕事。
SaaSはソフトウェアのセールスなので、商談の供給は安定的にインサイドセールスから供給されるので、商談が足りず、アポ取りばかりに時間を使ってしまうという事態はおこりません。
むしろどんどん供給されるので、いかに見切りを付けるかが大切です。
出来ないセールスは、購買意欲の高くない顧客をいつまでもズルズルとひっぱり続けてしまうのです。
そこでBANT情報と呼ばれる予算・決済権・ニーズ・タイミングの情報を素早く収集し、フェーズが進まない商談を振り分けていくのです。
そしてクロージングまでもっていき、売上ができるのです。
カスタマーサクセス
商品の導入後は、顧客に長く使用し続けて貰う必要があります。
冷蔵庫や掃除機のようにいつか壊れる商品をIT企業は販売しているわけありません。
顧客の要望にあわせて、商品を進化させ続ける必要があるのです。
カスタマーサクセスのミッションは解約の阻止やアップセル(契約数の増加)、顧客の声を聞いて、プロダクトサイドへのフィードバックを行うことです。
上記を実現する為にカスタマーサクセスは大きく2つにわけることができます。
一つはチャットや電話等で、既存顧客の対応を行う部隊です。
ITサービスにはお問い合わせフォームがあり、チャットやメール形式でお問い合わせがきます。
お問い合わせの難易度や回答に必要な時間等を考えながら、優先順位をつけてタスクをコントロールしていくのです。
もう一つがプッシュ型でこちらから解約可能性が高い顧客のフォローを行っていきます。
例えば平均ログイン時間が低下している企業や、契約の更新月が近づいている企業。
事前にコミュニケーションをとることで関係構築に努めたり、ユーザに対する、セミナーの開催を行うことで今一度、サービスの価値を伝えていくのです。
4つの部門がそれぞれのKPIを追うことで全てを煩雑になりがちだったセールスのKPIをしっかりと管理することができるのです。
4つの部門すべてを管理するセールスの悲劇
私は以前、証券会社で上記4つのすべてを担当していました。
DMやポスティング等のマーケ施策や、テレアポ、クロージング、顧客のフォローと。
今になって考えると、自分のKPIはまったく管理できておらず自分がどこのパートに時間を割くべきなのかも理解できていなかったです。
DMは1000通送って、1通も返信がなかったり、来ても既存先だったりと、心が折れて辞めてしまったのです。
また新規顧客を増やすことばかりを考え、顧客のフォローがおろそかになり、結果、顧客を不幸にしてしまいました。
つまり、私はセールス活動において全くPDCAを回すことができていなかったのです。
すべてを担うセールスにもメリットはありますが、正直この感動はどちらの環境も経験した人にしか理解できないでしょう。
今後も解像度を高めることができる情報を発信して行きます。
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